デュランゴ目抜きのメイン・ストリートはデュランゴ&シルバートン狭軌鉄道のデュランゴ駅から始まります。人口16,000人の静かな街も駅の周辺はすこしは賑わっています。鉄道駅が街の中心のようです。

 木造で中央が2階建の雰囲気の良い駅です。 尚、アメリカでは鉄道駅もStationでなく、Depot(デーポ)ということが多いようです。向って右はミュージアム・ショップになっています。

 この鉄道は1883年にデンバー&リオグランデ鉄道(D&RGRR)がシルバートン支線として開通させたもので、シルバートンの銀鉱山の輸送が主な目的でしたが、沿線の景色が素晴らしく、観光客や鉄道ファンなどの乗客が徐々に増えて行き、ハリウッド映画のロケ地としても有名になったこともあり、旅客の伸びは 止まらなかったようです。D&RGRRはコロラドの鉱山の輸送のため、たくさんの3フィート(914mm)ゲージの狭軌鉄道網を持っていましたが、1952年代になると鉱山の生産量も落ち、1962年には旅客輸送で繁栄していたシルバートン支線も含め、狭軌鉄道網の全廃を申請しました。しかし、住民の請願により、 この路線は廃止を免れ、別社化されました。1883年に開通してから130年近く、走り続けたようで、世界の観光、保存鉄道の中では珍しい存在です。

 この駅舎にはまだD&RGWRR(Denver&Rio Grande Western Rail Road)のマークがありますので、かなり歴史のあるのものでしょう?

 

 

 9月5日に飛行機のトラブルで、デュランゴ到着はやや遅くなりましたが、駅の近くのホテルで一泊後、6日朝8時15分発の列車に乗るために駅にやってきました。10両編成の列車にはたくさんの客が乗っていました。       

 牽引機はK36形482号機。1D1、ミカド形です。Kはミカドを表しているそうです。 出力2700HP、これはD51以上と思われます。定格速度40km/hですので、牽引力は極めて大きいと思われます。ゲージ3フィート(914mm)の狭軌の機関車としては巨大です。ボイラーはD51より大きく、動輪径1,118mm(D51 は1,400mm)と小さいので異様です。

10両に客車を牽いて、急勾配を登る力持です。      

 

 

 8時15分発を初めに、トップ・シーズンには45分間隔で3本の列車が朝出発します。各々の列車の最後尾には展望車が付いています。朝は展望車が勢ぞろい致します。

 乗車の列車の最後尾は最も右側でSinco Animasという展望車です。展望室サロンとこれに続くプルマンと称する固定クロスシートの車室があります。予め、この鉄道のホームページからプルマンを予約しました。この車には21歳以下は乗車不可とのことです。何故でしょうか?

 

 

 定刻発車し、しばらく、市街地を走ります。踏切がたくさんありますが、遮断機も警報機もありません。気笛を鳴らし続けて走ります。

(この列車は翌7日の1番列車です。)

 

 市街地を出るとリオグランデ川の支流アニマス川を渡ります。

 

 

この橋のシルバートン側は珍しい木製トラス橋です。

 

 

 川を渡るとアニマス川を右に見て、緑の中を走ります。

 

(この列車は翌7日の2番列車です。)

 

 

しばらく、緑豊かな牧場やロッジが点在する平原を走ります。      

やがて、河が深い渓谷を刻み、その断崖の上を列車は走ります。    

 

 

このスリルがこの鉄道のハイライトです。眼下にはアニマス渓谷が深く切れ落ち、サンジュアン国有林が広がっています。

 

 

終点に近くなると4000m級の山が迫り、流れは清冽さを増します。

 

   

シルバートンでは街の入り口の未舗装の大通りの真中に11時45分に到着です。70kmを3時間30分で走りました。 標高約2000mのデュランゴから約2800mのシルバートンまで、800m登りました。

 

 

シルバートンは名前のように銀鉱山の街で、廃坑になった後はこの鉄道が運んで来る観光客相手のレストラン、土産物屋が主な産業のようです。人口530人と極めて小さな町です。寂しい街が到着した線路の先に広がります。

 

 

 到着した列車は直ぐにバックし、3角線に入り、ここで、待機し、編成ごと方向転換します。

 

(帰りの車内から撮った三角線の奥に待機している後続列車)

 

 折り返し、14時00分の出発に備えて、列車がバックで回送されてきました。順光線を浴びた列車を詳細に見ました。

 

 

 機関車の製造銘板によりますと、このK−36形 482号機は1925年、ボールドウィン社製で、85歳のようです。

 

 

 それぞれの客車のプロフィールです。

 

 

 

 

 

 機関車寄りの山吹色の7両はスタンダード・クラスで、オープンエアの貨車を改造したと思われる車以外は木造のかなりのビンテージ・カーです。この色はRio Grande Goldと言われ、ハリウッド映画撮影の時、要求された色だそうです。

 右のオープンエアーのマルーンの車はデラックス・クラスの「RioGrande」で、シートはかなりゆったりしたものです。

 

 

 左はデラックス・クラス「Toll Timber」、右はプレジデンシャル・クラス展望車「Sinco Animas」です。

これ以外に9時発の列車にはファースト・クラスのガラスの天井の「Silver Vista」があります。

 

 

 

 展望車「Sinco Animas」の後部3窓分は展望オープンサロン、中央4窓分はプルマンシートです。それに続く4窓分は個室になっていますが、アテンダントの準備室に使われていました。この車では、アテンダントが乗務し飲み物や軽食をサービスし、沿線の案内をしてくれます。この車は1883年製で最初はImmigrant Sleeperと称するこの地域に入植する移民のために安く、寝るスペースを提供するもので、30の寝台があったとのことです。

その後、ビジネス・カーと称するデラックスな車に改造され、今に至った とのことです。プルマンの部分は元々寝台車のようですが、デラックスな車に改造された時のものでしょう。130年も走っている木造客車はギクシャクと妙なる音を走っている間、発していました。

 開通時はシルバートンからデンバーまで30時間かかったとのことでした。途中で、標準軌の鉄道に乗り換えたようですが、寝台車も必要になるわけです。ナローゲージと言っても日本の軽便鉄道とはスケールが違うようです。

 


 7日に列車を撮影後、Durango Depotに戻りました。列車が発車した後は大きな扉で構内は閉じられていました。

 

 

 しかし、駅の本屋からは入れました。左の4線から列車が発着します。中央の建物は扇形車庫です。右には入換え用のディーゼル機関車も見えます。

 

 

 構内の奥からシルバートン側の駅構内を眺めたものです。4線が並んでおり、左にはハイシーズンには9時45分発の3番列車になる編成が留っています。最も、右のホームに面したのが到着線、中2線が出発線のようです。

 

 

 上の写真の手前、反対側をみたものです。右に車庫の一部を使ったミュージアムがあります。入場無料です。この写真の奥にループ線があり、車庫の反対側に廻り、列車ごと、方向転換致します。

 

 

ミュージアムの反対側には転車台があり、この手前に扇形車庫があり、K36形蒸気機関車4台がいました。うち1台はオーバーホール中でした。

 

 

 アメリカの鉄道と言えば、カブースと言われる車掌車です。ミュージアムにあり、中に入ることが出来ました。2段式のベッドが両側にあり、そこから上に登ることが出来ます。上には、車掌弁がありました。ベッドがあるということは長時間の乗務を考えてでしょうが、何故か?トイレはありません。

 

 

 以上、アメリカでも最大規模で人気抜群のデュランゴ&シルバートン鉄道でした。

 

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(2010-10-25)
(2015-4-10)整理更新


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