サンフランシスコのFラインはゲイの聖地カストロからダウンタウンの中心のユニオン・スクエァーの近くのマーケット・ストリートを通り、フェリー・ターミナルからはウォーターフロントに沿ったエンバー カデロ大通りの真ん中を走りフィッシャマン・ワーフに至る市交通局Muniの運営するMini Metroと称するトラムの一つの路線ですが、全て、歴史的なストリート・カーで運行しています。

 マーケット・ストリートを走っていたトラムを地下化する計画が始まった時、サンフランシスコに歴史的ストリート・カーを走らせたいという機運が起こり、1981,2年の夏の週末にマーケット・ストリートを走らせ、1983〜87年の夏にSummer Trolley Festivalを開催し、世界各地から集めたオールドトラムを走らせ、好評であったので、1995年9月にカストロからトランスベイ・ターミナルまで、定期運転を開始したとのことです。この時、営業運転に使われたのはMuni保有の3台とフィラデルフィアからの14台のPCCカーでした。 これは車に対抗出来る静かで、乗り心地の良いストリート・カーとして開発され、1936年に初めて走ったもので、全米で導入されました。 (尚、PCCとは開発を推進したthe Electric Railway Presidents' Conference Committeeにちなんで付けられたものです。) 

 2000年3月にはフィッシャーマンズ・ワーフまで、延長されました。この時、ミラノの市電を導入しました。この電車の基になったのは「Peter Witt」と称するアメリカ・クリーブランドで開発されたもので、中央に広い扉を持ち、客扱いをスムーズにすることを目的としたもので、全米各地だけでなく、イタリアなどの欧州にも広まったものでした。しかし、PCCより一時代前のもので、ミラノの電車も1928年に作られた古いものですが、Summer Trolley Festivalでその信頼性が認められ、導入したようです。   

 

  アメリカ旅行の最後の9月11、12日、F-ラインの電車を探訪しました。

 Muniが持っていたPCCカーはダブルヘッド、すなわち、両運転台の車のようです が、今回、会ったのは全て、フィラデルフィアからの片運転台の車のようです。1946年 頃作られた比較的新しいもので、エアー系統は持っておらず、全て、電気操作のようです。アメリカ各地のストリートカーの塗色にして走っています。

 フィッシャマンズ・ワーフの海に沿って、終点の停留所に入るブルックリン(ニューヨーク)色の1053です。

 

 1075、クリーブランド(オハイオ洲)のストリート・カーの装いです。 

 

 

フィッシャマン・ワーフの終点のループで客を待つ、フィラディルフィア色の1090です。

 弾性車輪とレールに押しつける電磁ブレーキを備えた台車です。運転台は全て、ペダルで運転するようになって

おり、手持無沙汰な手の握り棒があります。都電5501に導入されたものと同じです。

 

 

 

 

 車内はバス用?のクロスシートが並んでいます。なんとなく、バスのムードです。

 

 

 左は1051、サンフランシスコMuniの色です。右は1057シンシナチ(オハイオ州)にストリート・カーの黄色いいでたちです。

 

 

 これは1056カンサス・シティです。

 

 

 このように全米各地から来る観光客にサービスをしているようです。

 

ダウンタウンの中心、パウエル電停付近のマーケット・ストリートを行くミラノ市電です。背景に古典的な建物があり、ここはミラノといってもおかしくない雰囲気です。この通りにはトロバスも走っています。この写真のように、軌道上を走り、電車が居ると、車道に避ける便利な代物です。

 

 

エンバーカデロ大通りの真ん中を走るミラノの電車です。線路は車道と区切られており、車が入りこめないようにしているのでしょう!軌道敷いちめんに玉石が突き出しております。

 

 

色はミラノ時代そのままで、車内にもイタリア語の表示が残っています。ダイレクトコントローラは木の短冊張り、台車はクラシックなもので、枕ばねは板ばねです。吊掛けと思いますが、ガタガタゴーといって大きな音を立てて走ります。   

 色を塗り替えたものもありました。

PCCとミラノが定期営業運転をしています。PCC60%、ミラノ40%ぐらいです。

 

 定期営業電車以外に特別運転として、これ以外の古い電車がフェリーターミナル〜フィッシャマン・ワーフ間を時たま走ります。

これは、1914年製のサンフランシスコのオールドトラムです。ボギーで、前面開放ではありませんが、扉は無く、乗降口にはエレベータのようなシャッターが付いています。

 

 

 

 

 

 これは「欲望という名の電車」で有名なニューオーリンズのストリートカーです。阪堺電車の昔の色を思わせるシックな色で、良いスタイルをしています。

 ハリケーン、カトリーヌの影響で路線短縮され、1年間の約束で、サンフランシスコに貸し出されているとのことでした。

今回の特別運転のハイライトは英国、ブラックプールのオープンカートラムでした。雨が多い英国で良くこんな電車を走らせたものと思います。 

真中にポールの支持台が乗っている屋根がありますが、前後はオープンです。前部の左右に英国国旗と星条旗を掲げています。

 後部の座席の上にはポールがありますが、何か、アークでも飛んだら怖いなぁ〜と思いました。

 

 

 サンフランシスコのトラムはMuni Metroと称し、このFラインのほかに7系統の路線があります。  

これはTラインの電車です。高床式の新しい電車で高いホームがあります。都心のマーケットストリートでは地下に入ります。

 マーケットストリートの地上を走るのはFラインだけです。

 FラインはMuni Metroの1路線として、60年以上前に作った古い電車を復元し、これだけで、営業運転をしているというのは驚きです。  ただ、故障は度々起きるようで、代替のトラム、バス、トロバス路線を確保しているようです。

 観光客にはケーブルカーと並んで人気なようでいつも混んでいました。

トラムミュージアムがフェリーターミナルの近くにありましたが、パネル展示だけで、見るべきものはありません。

保有している車両は郊外の倉庫に保管しているそうです。元神戸市電で広電で運転していた電車も保有しており、 走れる状態にまでしたようですが、左側通行対応になっているため、特別運転としても、客扱いが難しいため走らせられないとのことでした。

 

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(2010-10-25)


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