1984年(昭和59年)の春、ロンドンに出張しました。業務出張では国内、海外を問わず、鉄道に乗ったり、撮ったりという機会には殆ど恵まれませんでしたが、この時は学会発表を兼ねていましたので、思いがけなく、その機会に恵まれました。4月末から5月初めにかけてでしたので、ゴールデン・ウィークは全く潰れてしまいましたが、英国にもBank Holidayという起源の分らない休日もあり、時間が空き、電車を撮らざるを得なかったのです。

 

硬券の乗車券

 

入場券

 

 英国の鉄道は未だ国鉄British Rail (BR)により運行されていました。1994−97年にかけて、上下分離方式で民営化され、カラフルな列車が走るようになりましたが、このときは、くすんだブルーとクリームのツートンカラー、前面は黄一色の如何にも英国らしいオーソドックスな車が走っていました。

 宿泊したホテルはテームズ川沿いのストランドにあり、近くにCharing Cross駅がありましたので、ここから、ロンドンの主なターミナル駅を巡りました。英国の鉄道は国有化されBRになったのは1948年で、それまでは、私鉄であったので、鉄道会社ことにターミナル駅を持っていたのです。

 乗車券は硬券で、乗車券のナンバーと日付が両端にあります。又、改札があり、入鋏されました。入場券もあり、高いホームと相俟って、日本の鉄道に似たところがありました。日本が英国をお手本に鉄道を作ったからと思いました。

 

Charing Cross

 

Charing Cross駅       1984-4-30

 

 Charing Cross駅は古城のようです。上はホテルになっていたようです。 

 

テームズ川を渡りCharing Cross駅に進入の電車       1984-4-30

 

 ホームの直ぐ先はテームズを渡る鉄橋です。朝日を背に列車が入ってきます。東南方面に行く列車の発着駅で、2面4線のホームで、ロンドンのターミナル駅としては大きくありません。

 

第3軌条集電の近距離電車       1984-4-30

 

 BRの車両に初対面です。黄色の切り妻の顔はお世辞にもスマートとは言いかねますが、機能美があると好きな方もおられるようです。これにもまして驚いたのは、第三軌条集電の電車であったことです。地上を走る電車であるにも関わらずにです。ロンドンの近郊電車の殆どは第三軌条集電の電車です。

 

Waterloo

 

waterloo駅前の高架線を行くCharing Cross行電車       1984-4-30

 

 テームズを渡ると直ぐ、Waterloo駅本屋の鼻先を高架で通りすぎます。Charing Crossからの電車はこの先のWaterloo East駅

に着きます。

 

 

Waterloo駅コンコース       1984-4-30

 

Waterloo駅は大きく、Victoria駅と共に、南方向に行く列車の主なターミナル駅でした。

 

テームズ河畔を行く電車       1984-4-30

 

 Waterlooを出発しますと、テームズ側の南側を走りますが、実際にテームズに沿って走る区間はごくわずかでした。外開きドアの一段下降窓から、身を乗り出して、撮りました。オープンサロン、クロスシートの新しい電車もありましたが、 乗った電車はコンパートメントで、一室ごとに外開きドアがついていました。

 

Non Corridor車室 の電車              1984-4-30

 

 最も古い電車は各々のコンパートメントが独立しており、完全に壁で仕切られています。その壁に車幅一杯に向かい合わせのシートが設けられており、シートの間に、両側に乗降用の外開き扉がありました。扉の内側には開閉用のノブは無く、一段下降窓を開けて、外のノブに手を伸ばして開けなければなりません。この構造の客車をNon Corridor Carriageと称しており、4輪馬車の車室構造を引き継いだもののようです。アガサ・クリスティの鉄道ミステリー「パディントン発4時50分」にも登場する伝統的なもののようですが、訪れた時は少なくなっていました。写真 のNon Corridor車室 の電車はEustonから西海岸線に沿って、北に向かう近距離路線のものです。

 通勤時、この構造の電車がターミナル駅に着いた時、車室の無数の扉が一斉に外側に開くのは壮観でした。

 

Clapham Junction

 

5複線?区間をClaphamJCT駅に進入する電車       1984-4-30

 

 程なく、Victoria駅からの線路と合流して、Crapham JCT駅です。多分、5複線ぐらいあると思いますが、無数の線路が並走しており、かつ、第三軌条のため、架線も無いので、広々としております。Crapham JCT駅はBusiest Station in Europeという看板をホームに掲げていますが、頻繁に列車が発着します。

Crapham JCT駅を発着する列車の数々は上の写真をクリックすることにより、ご覧頂けます。

 

Paddington

 

Paddington駅とディーゼル機関車牽引列車       1984-4-30

 

 Waterlooから地下鉄(Under Ground)を乗り継ぎ、西、北、東方向の列車の発着するターミナル駅を巡りました。

 西方向に行く列車はPaddington駅に発着します。非電化路線でした。

 

Euston

 

Euston駅に到着の電気機関車牽引InterCity       1984-4-30

 

Manchester、Liverpool、そして、スコットランドに達する西海岸線の列車はEustonからでした。電化線で、電気機関車牽引のInterCityが発着していました。

 

Euston駅を出発して驀進する電気機関車牽引InterCity       1984-4-30

 

 西海岸線は架線からの集電です。Euston駅を出発したInterCityは160km/hの猛スピーで驀進して行きました。

 

St Pancras

 

威容を誇るSt Pancras駅       1984-4-30

 

 St Pancras駅は北イングランドの中央部、シェフィールドなどに行く列車が発着しますが、駅舎が威容を誇ります。シンデレラのお城のようでもあり、これが、駅かとびっくりしました。

 

St Pancras駅とディーゼル機関車牽引列車       1984-4-30

 

St Pancras駅と気動車       1984-4-30

 

 大ドームに覆われたホームは広々としていましたが、旧式のディーゼル機関車に牽かれた列車や気動車が居ましたが。発着列車も左程多くなく、閑散としていました。

 後に行った時、大ドームの建造が1867年であることを製造プレートで知り、驚きました。明治維新の1年前に作られたようです。

 

Kings Cross

 

Kings Cross駅       1984-4-30

 

St Pancras駅に隣接しているKings Cross駅からはYorkを経てスコットランド方面に行く東海岸線の列車が出ていました。Eustonと共に、北イングランド、スコットランドに行く幹線のターミナルで、駅の本屋も堂々としていました。上野駅のモデルとのことです。

 

Kings Cross駅 で顔を揃えているInterCity125     1984-4-30

 

 2連ドームの下のホームにはガスタービン動車InterCity125が並んでいます。125とは125mile/hということで、200km/hの最高速度で走るということでした。

 

発車を待つInterCity125     1984-4-30

 

 InterCity125は動力車は前後にしかなく、動力集中タイプのようです。動力車 の後位には貨物室があり、手荷物や郵袋のようなものを積み込んでいます。乗降用扉は1枚の外開きで、これも馬車以来の伝統でしょうか?

 

遠距離ホームと近距離ホーム 1984-4-30            近距離ホームから発車する電車 1984-4-30

 

Kings Cross駅には長距離列車が発着するホームの西側に近距離電車が発着するホームがありました。架線方式で電化されていました。

 

Liverpool Street

 

Liverpool Street駅       1984-4-30

 

Liverpool Street駅       1984-4-30

 

 ロンドンの東に行く、近中距離列車が発着するLiverpool Street駅があります。二本並んだローマの神殿のそれのような柱に支えられたドームが印象的な駅でした。

 

York

 

York駅を出発するInterCity125 London Kings Cross行    1984-5-5

 

 学会の発表も終わり、ホッとしたタイミングで連休がありました。ロンドンで大英博物館でもじっくり見ようなんて、心がけは無く、有名な鉄道博物館のあるYorkに行くことにしました。

  London Kings Cross-York間300kmをInterCity125は2時間で走破しました。York駅は終端駅ではありませんが、大きなドーム屋根がありました

York駅を発着する列車を上の写真をクリックすることにより、ご覧頂けます。

 

  民営化後の2000年、2003年に友人と出かけました。駅の基本的な構造は変わっていませんでしたが、さまざまな鉄道会社のカラフルな列車が走っておlりました。サービスも向上したようですが、その雰囲気は全く変わっていました。

 名残のBritish Railのご覧頂きました。

 

 

 

(2007-8-6)
(2016-9-26)更新


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