ゆったりとイスタンブール・トルコ (2008年)

 世界の首都とも言える都市が幾つか挙げられると思います。ある時代、政治、文化、芸術、産業の中心であった街で、ローマ、パリ、ロンドン、ニューヨークが頭に浮びます。これらには一度は足を踏み入れており、その存在感に圧倒されました。イスタンブール、かってのコンスタンチノープルはビサンチン帝国(東ローマ帝国),オスマントルコの主邑として、ほぼ1000年に渡り、世界の中心でした。

 NHK−BSの「ビサンチン帝国」を見て、是非、一度は行ってみたいと思っていました。

 古希を過ぎ、腰痛もありますと、長い時間、飛行機に乗るのが億劫になってきました。かつ、テロの問題もあり、逡巡してきました。しかし、残れる世界の首都 には行かねばという思いが勝ち、イスタンブールとカッパドキア、パムッァレとトルコの一番人気のところをゆっくり巡る旅を考えました。

 移動には鉄道を使いたかったのですが、トルコの中長距離移動の主役はバスでした。バスでの長距離移動は疲れるし、老人特有の問題もあります。依って、飛行機も使い、バスは最小に押さえました。鉄道はパムッカレからイスタンブールに帰る夜行のみになってしまいました。

       5月30日成田ー(トルコ航空)−イスタンブール、3泊

       6月2日イスタンブールー(トルコ航空)−カイセリーギョレメ(カッパドキア) 洞窟ホテル 3泊

       6月5日ギョレメー(バス、5時間)−アンカラ 1泊

       6月6日アンカラー(トルコ航空)−イズミル  2泊

       6月8日イズミルー(バス、3時間)−デニズリーパムッカレ 2泊

       6月10日 パムッカレーデニズリー(トルコ国鉄 夜行列車パムッカレ急行) 車中泊

       6月11日 ハイダルパシャ(イスタンブール、アジア側ターミナル駅)着−(フェリー)−イスタンブール 1泊

       6月12日 イスタンブールー(トルコ航空)−6月13日 成田

という行程になりました。15日の旅です。パック旅行なら8日で廻る内容です。首都のアンカラ、エーゲ海に望む港湾都市イズミルにも行程上の都合で行きました。

 

 

 この旅の様子を一寸、お話させて頂きます。

 載せた写真はビデオから取り込みのものが殆どで、お見苦しい画像が多いと思いますが!

 

 

 12時間のロングフライトの疲れで、ぐっすり寝ているところを大音声で起こされました。なにか、非常事態でも発生かと飛び起きました。どうやら、お祈りを呼びかけるコーランのようでした。ホテルの窓 には、スルタンアフメッド・ジャーミー(通称、ブルーモスク)がマルマラ海を背に朝日を浴びて、迫っています。手前(写真の左下)にはスルタンアフメッド一世廟が見えます。コーランはこれらから発せられてい たようです。

 

 

 左手に目を転じると、マルマラ海の先にアジア側が望めます。その手前の森の左方には、アヤ・ソフィア、トプカプ宮殿があります。ここは、イスタンブールの旧市街の中心のスルタンアフメッド地区です。正に、いにしえの ビサンチン帝国の首都コンスタンティノープルの地です。

 

 

 イスタンブールの根城のプチホテルです。アヤ・ソフィア、トプカプ宮殿、ビサンチン時代に作られた地下貯水池である地下宮殿等には、徒歩5分以内で行けます。前には、トラム(Tramvai)のスルタンアフメッド駅があります。 トラムで、スルケジ駅、ボスポラス海峡クルーズなどが出るエミノニュ桟橋、そして、金角湾に架かるあの有名なガラダ橋にも数分で行けます。ゆっくり、朝食を摂り、午前中、トプカプ宮殿のハーレム、宝物などを見て、近くのレストランで冷えたビールとともに昼飯を摂り、ホテルに戻り、しばし、お昼寝! それから、トラムで、エミノニュ桟橋に行き、ボスポラス海峡クルーズ、なんていう、ゆったり、きままに過ごしました。

 

 アヤ・ソフィア(左の写真)はブルーモスクの東に公園を挟んで聳えておりました。ビサンチン時代、キリスト教正教会の大本山であったものを、オスマントルコにより、モスクにされ、現在では、博物館になっています。一旦、塗りつぶされたキリスト、マリアのモザイク画が復元されています。

  トプカプ宮殿(右の写真)はオスマントルコの王宮で、アヤ・ソフィアの東、旧市街の東端の高台の正面にボスポラス海峡、南にマルマラ海、北は金角湾に面した広大な敷地にあります。正にヨーロッパからアジアに抜ける要衝の地であったことが分ります。

 

 

 イスタンブールはヨーロッパ側とアジア側の街があり、ボスポラス海峡により隔てられています。ヨーロッパ側には旧市街と新市街があり、金角湾で分けられています。この写真は新市街のガラタ塔から眺めたものです。旧市街の丘の上にはトプカプ宮殿が見られます。 その横にはアヤ・ソフィア、ブルーモスクがあります。

 

 

 旧市街の丘の上にアヤ・ソフィアがマルマラ海を背に聳えているのが遠く望めます。この地がかってのコンスタンチノープルで

あったことを偲ばせます。

 マルマラ海はエーゲ海から地中海に通じており、海上交通が主であった中世では、この地が如何に重要であったかがわかります。

 この写真の右に目を転じれば、旧市街と新市街を結ぶ金角湾に架かるガラタ橋があります。

 

 

この橋は中央が開閉式になっていますが、今は開いているようには見えませんでした。

 

 

 

橋の上は中央の専用線をトラムが走り、片側2車線の車道があります。左の写真の中央上に鳥瞰写真を撮ったガラダ塔が見えます。元々は灯台であったようです。

歩道には釣り人がたくさん居ります。体長10cmぐらいの小さな魚が釣れています。竿のレンタル屋、えさを売る人もいます。

 

 

左は中央の開閉部分です。この根元に塔があり、下に降りる階段があります。ここから、両岸側は2階建てなっており、1階には海鮮料理屋が軒を連ねています。右は旧市街側の1階です。外側の歩行者通路に日本人を発見すると「さばサンド、3リラ」なんて、呼び込みのおじさんが叫びます。

 

 

鯖は店頭で焼いています。鯖サンドも名物ですので、食してみました。油ののった美味しい鯖でしたが、パンに挟むより、単独の方が良いですね。

 

 

イスタンブールのトラム(Tramvai)は街の中心部の幹線交通機関です。他では、地下鉄の補助的な役割をトラムが果たしていることが多いのですが、ここでは、旧市街のメインストリートを通り、ガラタ橋を渡り新市街に達する1本のトラムラインが、街の大動脈なのです。沿線に主な観光スポットは全てあります。上の写真はガラダ橋を渡り、国鉄スルケジ駅前から、旧市街の丘陵を登り、旧市街のスルタンアフメドに向かうトラムで、右側にはアヤ・ソフィアがあります。

 走る電車は新しいLRV (Light Rail Vehicle)で、3両編成のものを2ユニット連結しています。3両編成と言っても、真ん中に4輪ボギー台車、一つを履いた短い箱があり、 両端の車は車端に4輪ボギー台車を一つ持ち、中央側は真ん中の車に、乗せ掛けている珍しい構造です。ボギー 台車の上の床は少し高くなっており、部分低床車と言えます。営業方式は鉄道に近く、各停留所には透明なアクリルの柵があり、 ジェトンというトークンを買い、自動改札機に投入して乗ります。いつも、混雑しており、すし詰めの時もありました。このトラムの旧市街の終点から空港などに向かうメトロがあり、新市街側の終点からは地下ケーブルを介して、やはりメトロがあります。他の都市とは逆ですが、街の中心には余りにも遺跡があり、地下も掘れないのかもしれません。

 

 

 トラムで、ガラタ橋を渡った新市街のカラキョイから世界最短、最古の地下鉄と言われるチュネルがあります。乗ってみれば、地下ケーブルカーで、なんということもありません。

 

 

 この丘の上終点、チュネルより、4輪単車の小さなトラムが走っています。新市街の中心、タクスィム広場まで、短い距離を走ります。その昔、イスタンブールの街のあちこちを走っていたトラムを復活運転させたもので、交通手段というより、名物の一つなのかもしれません。

 

 

 運転台にはクラシックなダイレクトコントローラーとハンドブレーキのみがあります。折から日曜日で、走る通りは繁華街のようで人があふれて居ます。車内も満員でコントローラの横にまで人が乗っています。こんな中をハンドブレーキのみで走る運転手は正に神業です。

 

 

 鉄道ファンとして見逃せないのはかってのオリエント・エキスプレスの終着駅スルケジ駅です。堂々たる駅は昔の栄光を忍ばせます。上の写真をクリックして頂きますと、のページをご覧頂けます。

 

 

 

 イスタンブールの他に見たかったのは奇岩地帯の「カッパドキア」と幻想的な石灰棚のパムッカレでした。

これについてはのページを上の写真をクリックしてご覧頂きたいと思います。

 

 きままに廻ったトルコの旅もあっというまに過ぎてしまいました。

 

 

 トルコ最後の夜の10時半ごろでしょうか?コーランが響きました。ライトアップされたブルーモスクの上を白い鳥が飛び交っていました。かもめでしょうか? 大音声とひかりに驚いて、飛び立ったのでしょうが、夢幻の世界を見ているようでした。

 

 トルコはホテルと食事が比較的安く、ゆったり、経済的に旅行できます。
治安はかなり良く、スペイン、イタリアより安全かも知れません。
しかし、レストラン、お店などの客引きはものすごく、これがわずらわしいかもしれませんが、この人たちの能力には感服させられます。
イスタンブールのガラダ橋の下にあるレストランでは、こちらを見て、「こんにちわ、お元気ですか?さばサンド、3リラ」なんて、名物の焼き鯖のサンドウィッチを売り込んできます。 韓国の旅行者も多いのですが、「アンニョンハセヨ」なんて声をかけています。
こちらには決して「アンニョンハセヨ」なんて声をかけてきません。韓国人と日本人は見分けが難しく、小生なども話してみなければ分りませんが、どのようにして見分けるのでしょう?
英国人、フランス人、ドイツ人、スペイン人、イタリア人なども見分け、それぞれの言葉で、声をかけています。
どうも、売り込みはその店の店長か、オーナーのようで、値引きなどの権限もあるようです。
ホテルのフロントだっておとなしくしていません。ツアーからディナーショーまで売り込んできます。
ホテルも家族経営のところが多いのですが、そのオーナーだって、特別なプライベート・ツァーは如何?なんて言ってきます。
結局、自分が車を運転し、案内するだけなのですが、息子が有名私大に行っていて、仕送りが大変なので、すこしでも、稼がなくては!なんていっていました。
でも、何となく憎めないキャラクターが多く、この人たちとの駆け引きを楽しめるか、どうかがトルコ旅行 を楽しくするか、否か、だと思いました。

 

 トルコ料理は世界3大料理のひとつとのことです。その中心は「ケバブ」でラム、チキンの串焼きで、塩焼き、香辛料などの効いたタレを付けて焼いたもの、ビーフも含めた肉の煮込み料理、ミンチにして焼いたものなどバラエティがあります。

 お魚も食べますが、余り一般的でないようで、塩をしないで、魚を焼くことが多く、なにか、気の抜けた味です。イスタンブールでは蛸のマリネがありましたが、吸盤が気持ち悪いらしく、取ってあり、長くボイルしたようで、軟らかく、妙な食感でした。

 小生の好みによるランク付けで、トルコ料理はスペイン、イタリア、フランスには及ばず、イギリス、スイス、ドイツ、北欧よりは増しであると思います。


トルコはヨーロッパか?中近東か?と議論されることが多いようです。
イスタンブールの街は完全にヨーロッパですが、大きなモスクはたくさんあります。
街を行く、地元の女性も、スカーフをかぶり、ロングコートを着ている人もいる一方、タンクトップとジーパンで闊歩しているお嬢さんも居ます。
イスタンブールのカッフェでは、昼からビールを傾けている人が多かったので、トルコは酒は何処でも飲めると思ったら大間違い!観光地ではない、地方都市のレストランでは殆ど、酒を置いていません。
不思議な事に隣の店でビールを売っています。オーストラリアのBYOのように持ち込めば、飲めるかと 思いましたが、これはNOです。
やはり、イスラムの国、飲まない人が多いのかもしれません。

 

以上、気ままな旅の印象でした。

(2008-7-1)